オステオパシー(膝の痛み改善)とmagnétisme supérieur【Total 12】

 自分のオステオパシーは久しぶりだ。先日のハイキングでの膝の痛みがあったので、その話をして身体をみてもらった。最初はいわゆるポキポキするオステオパシー。これがいつも怖い。身体を預けて「リラックスして」と言われても、そう上手くはいかない。通って1年を過ぎた今ようやく少しは慣れてきたかな、というくらい。このときのリラックスは本当に苦手だ。リラックスは普段からできていない。リラックスができない原因は結構根深いと思う。

 まず、内臓マニピュレーションをやってもらった。
 おへそ周辺を手のひらで右回しにねじりながら押した。息がくるしいくらい強く押される。自分の身体がこれほど変形することに驚いていると、一度手を離してから左回しにまた押した。けっこう痛い。でも、拒否したい気持ちはない。
 「内臓を触っているが、内臓だけじゃない」と、施術者は言いながらとにかく押している。
強く圧をかけながら回旋し右回し・左回しの切り替えをすることは、腸間膜や小腸、大腸、さらにその周囲の結合組織(筋膜)にアプローチし、内臓を包む膜(腹膜・腸間膜)もつながっている、とかいう。もっとしつこく、さらに外側の筋膜や、神経・血流など、すべてが関与している。このあたりがもう理解が追いつかないのだけど、すごいなあとぼんやり思う。

 そして次に、わたしは仰向けで横たわっている。
すぐ横に立った施術者は空手のような構えをした。やおら目を閉じ、手をかざしてなぞる動作、掴む、息を吹く。そして、歩く。これを繰り返している。

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 バイオダイナミクスのときのような静寂さはない。もっと、外的な活性化のような。けど、なんとなくじわっときてる?いや、わからない。
 そんなことを思っているうちに一瞬眠る。すぐに目覚めると、施術者は横たわっているわたしの周りをまわりながら同じ動作を繰り返している。歩く足音と息を吹く「ふーっ」という音が交互にきこえ、そのリズムでまた眠くなる。尿意で目覚める。
 これは何?そう施術者に訊ねると“magnétisme supérieur=(高次の磁力)”と教えてくれた。???どういう意味かわからない。「鍼みたい」とか「3つの道」「チャクラ」などとりとめもなく施術者の口からことばがでた。なんだかスピリチュアルなもの?よくわからなかったので、家に帰ってから調べた。

magnétisme supérieur=(高次の磁力)について

  • 医療的に体系化されたオステオパシー技法ではない
  • 19〜20世紀:フランスで「magnetisme」「magnétisme curatif」として民間療法化magnétisme supérieur はその中でも「精神的・霊的な次元に働きかける磁気療法」とされ、通常のマッサージや手当てよりも「非接触・フィールドワーク」に重点を置く
  • Franz Anton Mesmer(1734–1815) が提唱した「アニマル・マグネティズム(magnétisme animal)」=メスメル主義 にルーツを持つ言葉
  • 今回は体のまわりにある不要なものを取り除くプロセスだった
  • 「3つの道」:脊柱を通る中心の経路(スシュムナー)、左右の経路(イダーとピンガラ)つまり、エネルギーの循環路を整える話
 まだ効果のほどは実感できずにいる。次回があればまたよく考えてみたい。

セッション記録:わたし(膝の痛み)

  • 日付:2025/08/27

  • 施術内容
    内臓マニピュレーション:おへそ周囲を強い圧で右回し・左回しに押圧。息が苦しくなるほどだが、必要性を感じ受け入れる。
    Magnétisme supérieur:身体に触れず、周囲を歩きながら手で空間をなぞり、掴む動作をし、フーッと息を吹きかける施術。施術者は目を閉じ、歩きながら行う。

  • 身体の感覚(Sensation):内臓圧迫時に強い痛みと変形を感じる。空間をなぞる施術中、リズムと音に誘われ眠気が訪れる。しかし尿意に注意が向かい、後半は体感が薄れる。

  • 感情・心理(Emotion):内臓マニピュレーションは苦痛を伴うが、信頼感から受け入れられるMagnétisme supérieurは「取り除く」施術であるという言葉を聞き、好奇心と期待感。施術後の変化:身体全体が軽く、腹部の解放感あり。呼吸の深まりを実感。

  •  考察・メモ(Reflection):非接触の施術は身体の内側よりも空間感覚に意識が向く。尿意で集中が途切れるのは情けないが記録として重要。
偶然性は単なる現実としての現実の現実性である。
九鬼周造『偶然性の問題』(1935年)より