母子同調のオステオパシー【Total 14】

 わたしの子は1歳2ヶ月だ。生後3ヶ月からオステオパシーに通っている。
 元々、わたしの産後回復で行っていたが、乳児もできると言われたので連れて行った。 はじめは怖かった。子を宙吊りにしたり背骨を押したり、見たことのない光景だった。でも自分が効果を知ってからは積極的に受けに行った。
 生後6ヶ月くらいまではベッドに寝かされていても泣かずにいられた。気持ちよさそうに、すやっと眠ったりもした。 しかし、1歳近くなると人見知りが強くなったこともあり、ずっと泣いていた。あまりに大泣きするので施術者は耳栓をしているくらいだ。60分以上のセッションをずっと大泣きではみんなが疲れてしまう。これからしばらくはできないかな、と思っていた。

 この日も案の定、ベッドに寝る前から大泣きしている。そこで施術者はわたしの左手を子の額に、右手をお腹に置くように言った。「ソフトに」そう言いながら、さらにわたしの手の上に自分の手を重ね「私みたいにソフトに」ともう一度言った。そう言われても、大泣きする子を前にソフトな感じにすぐにはできない。とにかく言われたとおりにやってみるしかない。
 身をよじりながら大泣きしていた子は、しばらくすると静かになった。あたたかな暗闇に沈み込むのと、明るい活動的な世界のあいだでさまよっているようだった。眠りたいけど眠りたくない。そんな感じ。


 母が落ち着くと、子も安心して泣きやむ。子が落ち着くと母もゆるむ。この相互作用をオステオパスが意図的に場として調整していたのだろうと思う。実際、泣き声が落ち着いてくるにつれて、わたしの気持ちも静まっていった。そしてわたしは言われたとおり、手の力を抜いて触れていた。子の額から頭に置いた手の下で脈打つような感覚があった。それが自分の手のうごきなのか、子の呼吸なのか、それともオステオパスの手から伝わってきたものなのかわからなかった。境界が曖昧になっているようだった。やがて子は気持ちよさそうに眠りについた。

セッション記録:子(1歳2ヶ月)
  • 日付:2025/08/26

  • 施術内容:
    母によるタッチ:母の左手を額、右手を腹部に置くよう誘導。施術者は母の手に自分の手を重ね、圧の強さ(かなり弱い)を示す。
    クラニオセイクラル・アプローチ:頭部全体を整えるタッチ、顔の前面の拡張。泣きが強い状態で開始し、徐々に落ち着く。 

  •  身体の様子:体の緊張が強く、泣き声も高ぶっていたが、徐々に声が低くなり呼吸が整う。施術中盤から身体が緩み、手足の動きがスムーズに。 

  •  感情・心理(母の推測):不快感から始まったが、落ち着きと安心感を得たように見える。母自身も落ち着いた気持ちになり、親子の神経が同調した感覚。

  • 施術後の変化:施術後は表情が柔らかくなり、泣き疲れではない落ち着きが出た。眠りに入りやすく、呼吸が深い。

  • 考察・メモ(Reflection):親子同時のタッチは母の状態も影響するため、今後の観察ポイント。頭部形状調整は継続テーマであり、効果の蓄積に注目。